人生の歩み方を変えると、色々と洗礼を受けるものだ。特に、科学者(研究者)からビジネスマンへの転職となれば様々な障壁(社会復帰への)が立ちふさがってくる。これまでも色々とあったように思うが、今日のは結構強烈だ。
取引内容について確認しなくてはならず取引先に電話を入れたのだが、まず電話を取ったおばさんが私の名前を聞いても怪訝そうな返事をするばかり。おいおい、この間2時間ほど島について話した私ですよ、と言う間もなく代表(オジイ)に交代。で、オジイがやはりさえない返事で、申し訳なさそうに「ハァ?」と言うばかり。坊主頭で、と言っても駄目。三線ツアーについて、と言うと思い出していただいた。
時間にすれば十秒程度の会話だったろう、だがこれは恐ろしい。私の風体や、話す内容から他では覚えていただけたのだが、今回は駄目だった。こちらが強く重い入れるあまりに“お互いに”よく知った気になっていたところもあるだろう。全く予期せぬ事態に少しパニクった。
サラリーマンになって一月半、そろそろお互いに以前出会ったことを忘れて二枚目の名刺を交換し始める頃合いかも知れない。そんな中、どのようにして相手に覚えていて貰うのか、大きな難題が持ち上がった。研究者の頃は忘れるような相手とは別に無理してつながっている必要はない、と全く無頓着であったが、この狭い島の世界ではそれはますます通じない。電話の相手はオジイだったりオバアだったりするのが頻繁にある。どのようにして覚えて貰うか、どのようにして思い出して貰うか、よく考えておかなければならないな。
名刺とかにでっかい写真とかのせて、お礼の葉書とかあとで書くとかすればいいかもね。
そうなんですね、先日ある人からそのお礼の葉書が来て、こういう方法もあるのか、と驚いた。でも次に問題になるのは自分が相手を覚えられないことですよねぇ。