科学者の転職記

会社説明会というものに出てみたーーーリクルートスーツ

生まれて初めてなのである、会社説明会。しかも、東京にある企業だ。いろいろな意味で面白そうだと期待していた。行ってみれば、参加者約20人程が、噂に聞いたことのあるリクルートスーツに身を包み、緊張した面持ちで腰掛けている。初めて見たよ、リクルートスーツがこんなに勢ぞろいしてるの。何だろう?どうして皆が同じ服装に行き着くんだろう?分からない、どうしても分からないのだ、これが社会常識というやつなのか?これは入社試験ではなく、説明会なのである。正装して緊張すべきは社員であって、選ぶ側の参加者ではないだろうと思うんだけど。場合によっては一生を過ごす会社になるかも知れない、参加者はこの会社を見定めないといけないのである。それとも、説明会から入社試験は始まっている、とかいうのがあるんだろうか?

 俺も一端のサラリーマンだ。まだ二ヶ月間なれど社会で色々と勉強させてもらっている。常識は尊重する。かく言う俺もスーツにネクタイという出で立ちだ。しかし、研究者が立ち上げた企業で、信念のある人間の集まりだと謳う会社の説明会に没個性の代名詞であるリクルートスーツで揃って現れるのは、冷やかしにしか見えない。いや、案外、そういう所から冷やかされるような企業ということなのかも知れないね。とは言え、参加者には一人、明るい茶色のジャケットを着ていた人がいた。ほんの少ししか話せなかったが、まあ目標があってそこへ進む道を考えているようだった。彼も社会不適応児か!?

 まあこうやって書いてくると、やはり、科学者の社会復帰は難しいのだと思う。つまり、これまでの自由を捨てて社会で働くには、その会社に入社する相当強力な目的が無いといけないし、それに対する覚悟が必要なのである。これからも研究者から転職せざるを得ない科学者が続々出てくると思うが、本当にやりたいことが出てくるまで科学者らしくじっくり練るべきだと思う。そうでなければ務まらない、アルバイトになるのが関の山だ。と格好をつけてみるけど、ま、それ以前に何はともあれ社会復帰して世間一般常識を勉強するのが第一なんですけどね。

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