科学者の転職記

Steve Jobs伝記感想文:亡くなったボスの記憶

 先日友人に贈られたSteve Jobsの伝記である。つまみ読みを続けている。

 どうも親近感があると感じていたんだが、下巻も半ばを読み終える頃にその理由が分かった。2年ほど前ガンで亡くなったアメリカの研究室のボスにそっくりなのだ。自分の理論が絶対で、それに反する結果を受け入れようとしなかった。これだ、と思うことがあれば週末、夜半、関係なく、休暇先からも電話がかかってきた。亡くなる4日前まで自らが率いる研究センターの教授陣とこれからの方向性について会議を開いていた、そんな人だ。そんな下につくポスドクは大変である。これまで行なってきた実験とは別の実験を要求され、それがうまくいかないとその理由はポスドクの側にあるのだ。それでも数々の新しい事を発見し、それを展開してきたのは、彼の方法が正しく、科学的センスに優れていたのだろう。

 アメリカにはああいう人間が多数いると思う。Steve Jobsはその中で一際目立った人に過ぎない。リーダー不在と言われ、Steveのようなリーダー像を望む声が有りそうだが、ああいったリーダーであれば実は意外と皆の身近にいるのではないか?ただやり方が下手で、センスがないだけで…。

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