3月30日、記念すべき契約の満了、仕事の最終日である。この俺が、何だかんだと半年サラリーマンとして勤め上げることができた。思えば色々と体験させていただいたわけだ。ポスドクとしてアメリカでの研究職しか知らない人間が、社会人、しかも日本でサラリーマンを勤めたのである。俺を知る大半の人間が、というよりむしろ俺自身続けられるかどうか全く分からなかった。しかし、勤めた所が非常に良い職場環境で、私自身のびのびとかなりの自由度で仕事をさせていただけた。もしこれが、科学者気取りの抜けない訳のわからないおじさん、とでもされていたら、俺は全くもってどうなっていたのか、恐ろしくて考えることもできない。
今回学んだことの一つに、会社と言えども色々とあるということである。そう、至極当たり前の話なんだが、どうしても会社員、サラリーマンと聞くと皆が同じようなイメージしか持てなかった。しかし、研究室も多種多様であるように、会社も主義が違うし、当然雰囲気も全く異なる。色々なリーダーがいて、色々なメンバーがいる。それぞれがそれぞれの考えを持っていて、互いに付いたり離れたり相互作用を起こしながら、組織が造り上がっている。
これを読んでいるポスドクの方がおられたら、サラリーマンも見方一つで面白いものだと感じて頂ければ、と思う。ただ、非常に辛い所が、ポスドクというのは大抵年を食い過ぎているんだよなあ、俺もそうなんだけど。やはり門はかなり狭いと考えたほうが良いだろうなあ、そう、これから俺は非常に大変なのである。