余談をもう一つ…
沖縄は南城市にある中学校で、夕方の小一時間ボランティアをやっている。中間テスト対策、詰まりは補習の先生だ。少し面白い余談その2。
先生方と挨拶をする際、当然どういう方ですか、という話が出る。もちろん名刺を持ってまわって挨拶し合うなんてことはない。自分が言わなくとも誰かが勝手に紹介してくれる。私をボランティアに紹介してくれたスタッフの方が、「森さんはアメリカで研究をなさって沖縄に戻ってこられたんですよ、現在は教育に携わっておられて…」私は横で、そんなにすごくないですよ、と微笑んでおれば良い。日本(田舎)文化とは実に便利なものである。さて、沖縄において南城市と言えば、本島の南東に位置し、キビ畑が広がっていたりサンゴの海が残っていたり、詰まり田舎な訳である。その中の小さな中学校にボランティアで先生を務める人というのが、聞けば中々そうそうたる面々なのである。まずは私、アメリカの大学で研究を行い、大学院生を指導してきた。お隣の人。大学の化学の元教授で、実は私も授業を受けたことがある。厳しい人で実は義父の同級生。向かいの人。アメリカでパイロットをやっていたという。このボランティアグループを十年以上前に立ち上げた人。義父はこの人の一期下に当たるらしい。少し離れたところにいる人は、長年アメリカに住み、英語教育を研究されてきた人。その他は元高校の教諭などである。ボランティアを受け入れた中学校の校長先生や教頭先生、皆が緊張した面持ちになるのも当然である。こんな田舎にありながら、このような多様な人材が揃うというのは非常に面白い。それがこの田舎の魅力であり、力なんだと思うのである。
ただ、どうしても残念なのである。ただ、ただ惜しむらくは、全員が現役じゃないんだよねぇ…